「大相場の実践術」は巨万の富を築いてきた先人たちの手法を学び、本書をお読み頂いた方に同様の利益を獲得していただけるよう実践方法をまとめた書籍となります。
ご存知のように「大相場」と呼ばれるものは、いついかなる時にも生まれます。日経平均がバブル高値を更新した最近ではさくらインターネットや海帆などが目立っていますが、リーマン・ショック以降の株式市場の低迷期でも兼松日産・新日本理科・明和産業など大相場を築いた銘柄はいくつもあります。
これらの銘柄にピンときた方は相場歴の長い方でしょう。当時一斉を風靡した加藤氏の銘柄です。「時々鐘の音」に掲載された銘柄が軒並み上昇したものです。その他にも大相場を築いた銘柄の背景には大物仕手筋・投資集団がよく居るものです。
投資集団や仕手筋については大相場の実践術番外編「相場師列伝」にまとめてありますので、お時間のある時にお読みください。
さて、本書籍では大相場の背景を学びます。特に先ほどあげた仕手とよばれる集団がどのように相場を形成していくのか?その際に使う手法を学び相場の作り方・背景・ルールに則り買付・利益確定する方法をご案内致します。
本書籍が読者様の投資成績の向上に貢献し、将来の生活の安定・豊かな人生を歩める事を願っております。
本書籍は実践術ですが、いきなり実践はできません。まずは大相場とは何かをしっかり理解しましょう。
大相場
普段と比べて、株式相場全体が活況に満ちて高騰し、出来高も大きく膨らんだ相場のこと。
主力株に端を発し、相場全体のムードが盛り上がると大相場となり、この余波が各銘柄に行き渡って全面的に一段高となっていきます。その結果、いわゆるブームが起きることになります。
一方、株式相場全体でなく、個別銘柄単位での大相場も存在します。一般的には仕手筋主導のものが多く、それまでほとんど物色の対象とならなかった銘柄が動意づき、商いを伴って急騰するさまもその銘柄自身の大相場と言えます。
出典:weblio辞典
前半の部分である主力株から端を発して、相場全体が大相場となるというのはまさに、バブル高値を更新した今の相場の事を指すでしょう。
バブル崩壊以降失われた30年が日本の株式市場では続きました。ITバブル・ドットコムバブルなど小さな株価上昇はありましたが、それもリーマン・ショックで瓦解。その後の株式市場は低迷が続きました。
契機となったのは民主党から自民党への政権交代。そして始まる、アベノミクスです。
後述する株価の決定要因となる、金利の低下とマネーサプライの増加で現在の相場は大相場の最中にいるのです。その一つの象徴として日経平均のバブル高値更新があります。
注目して頂きたいのが後半部分「個別銘柄単位での大相場も存在します。一般的には仕手筋主導のものが多く、それまでほとんど物色の対象とならなかった銘柄が動意づき、商いを伴って急騰するさまもその銘柄自身の大相場」とされています。
そうです、個別銘柄における大相場とは何か?
それは仕手筋主導の株価急騰の事なのです。
もちろん、中には実直に良い商品を作り、売上を伸ばし一株あたりの利益を向上させ自然発生的に株価の上昇が続く大相場もあります。それらに投資するのは、毎四半期ごとの決算をチェックしKPIを見極めその事業環境を調べれば簡単な事です。
一方で、特段業績向上に関するニュースや材料もないまま株価が上昇する銘柄をみた事はございませんか?
もしくはきっかけは業績向上や新事業などの材料やニュースだったものの、その後株価収益率などでは計る事ができないほどの株価上昇を見せている銘柄をみた事はございませんか?
このような大相場を築く銘柄の背景には仕手筋や投資集団がいるという事をまずは知っておいてください。
そして、全体相場の低迷期に新日本理化や明和産業が大相場となったように、そして現在指数大相場の活況の中では海帆やさくらインターネットが大相場となったように、いついかなる相場状況でも個別銘柄の大相場は存在するという事を知っておいてください。
大相場とは何か?そしてその背景には需給をつかさどる仕手筋や投資集団がいる事はご理解頂けたかと思います。
では早速、大相場で利益を得る方法を!といきたいところですが、大相場とその背景にいる集団がどのようなルールで動くかを知るために、まずは普通の「相場」とは何かを解説致します。
相場とは株価の動きの事ですが、株価の決定要因は次のようになります。
時間軸 | 株価の決定要因 | 説明 |
---|---|---|
長い | マクロ政策 (金利やM2) |
株式市場全体に対する資金の増減。必然的に、株式市場全体に流れる資金量が多くなれば個別株も上昇する。 |
↑ ↓ |
業績 | 業績が良く投資家への還元に積極的な企業の株価は買われる。また、還元策が充実していると保有期間も長くなる。 |
短い | 需給 | 市場のテーマや仕手筋の動きなどが重要。 保有期間は短くなる。 |
マクロ政策とは国や中央銀行が行う政策の事です。例えば、国がどのくらい税金を徴収するのか?そして中央銀行が政策を金利をいくらにするのか?などです。このような経済的な要素以外にも、米中の経済対立やイギリスのEU離脱(ブレグジット)、環太平洋経済協力機構のようなブロック経済の関わりなどの政策的な要素も含まれます。
株式市場において重要なのは前者である、税と金利・貨幣供給量となります。税金が高ければ資金集まりにくいので株式投資にマイナスです。逆に低ければ株式投資にプラスになります。
政策金利金利が高ければ経済成長が阻害されるので後述する業績にも影響を与えますし、何より国債の利回りが高くなる事で相対的に株式投資への魅力が薄れます。政策金利が低くなれば相対的に株式投資への魅力が高まります。日銀がマイナス金利を導入しているため、株価が大きく上昇したのはこのためです。
上記は市場に出回る資金のうち、どの程度の割合が株式市場に流れ込むかを決める要因ですが、そもそも大元の資金が大ければ株式市場に流入する資金が大きくなりますので基本的に株高になります。
この貨幣供給量を計る代表的な指標がM2と呼ばれるものです。マネーサプライとも呼ばれていましたが、M2=現金+当座預金+定期性預金+貯蓄性預金となります。
日銀が国債の買入を行う一つの理由として金利の低下とこのM2を増やして経済を活性化させる狙いがあります。
業績は株価に与える要因となります。特にマクロ政策を理解した上で個別銘柄に落とし込む際に必要となります。
業績と株価の関係を示す指標として、一般的PERやROEなどが使われます。業績の積み重ねとしての企業価値を計る指標にはPBRがあります。簡単に説明しておきます。
PERとは
Price Earnings Ratioの略称で和訳は株価収益率。株価と企業の収益力を比較することによって株式の投資価値を判断する際に利用される尺度。時価総額÷純利益、もしくは、株価÷一株当たり利益(EPS)で算出されます。例えば、株価が500円で、一株当たり利益が50円なら、PERは10倍です。
一般的には、市場平均との比較や、その会社の過去のレンジとの比較で割高・割安を判断する場合が多い。どのくらいのPERが適当かについての基準はなく、国際比較をする場合には、マクロ的な金利水準は基より、各国の税制、企業会計の慣行などを考慮する必要があります。
なお、一株当たり利益(EPS)は純利益(単独決算は税引き利益)を発行済株式数で割って求めます。以前は「自社株を含めた発行済株式数」で計算していましたが、「自社株を除く発行済株式数」で計算する方法が主流になりつつあります。企業の株主還元策として自社株を買い消却する動きが拡大しており、より実態に近い投資指標にするための措置といえます。
PBRとはとは
Price Book-value Ratioの略称で和訳は株価純資産倍率。PBRは、当該企業について市場が評価した値段(時価総額)が、会計上の解散価値である純資産(株主資本)の何倍であるかを表す指標であり、株価を一株当たり純資産(BPS)で割ることで算出できます。
PBRは、分母が純資産であるため、企業の短期的な株価変動に対する投資尺度になりにくく、また、将来の利益成長力も反映しにくいため、単独の投資尺度とするには問題が多いという欠点もあります。ただし、一般的にはPBR水準1倍が株価の下限であると考えられるため、下値を推定する上では効果があります。更に、PER(株価収益率)が異常値になった場合の補完的な尺度としても有効です。
なお、一株当たり純資産(BPS)は純資産(株主資本)を発行済株式数で割って求めます。以前は「自社株を含めた発行済株式数」で計算していましたが、「自社株を除く発行済株式数」で計算する方法が主流になりつつあります。企業の株主還元策として自社株を買い消却する動きが拡大しており、より実態に近い投資指標にするための措置であり、PERと同様の考えです。。
ROEとは
Return On Equityの略称で、和訳は自己資本利益率。企業の自己資本(株主資本)に対する当期純利益の割合で、計算式はROE(%)=当期純利益 ÷ 自己資本 × 100、またはROE(%)=EPS(一株当たり利益)÷ BPS(一株当たり純資産)× 100。
ROE(自己資本利益率)は、投資家が投下した資本に対し、企業がどれだけの利益を上げているかを表す重要な財務指標です。ROEの数値が高いほど経営効率が良いと言えます。
「中には実直に良い商品を作り、売上を伸ばし一株あたりの利益を向上させ自然発生的に株価の上昇が続く大相場もあります。」第1章で述べましたが業績を伸ばし一株益が増加する事で株価が急騰した銘柄として、話題のエヌビディアがあります。
生成AIへの投資が旺盛になり、生成AIに必須の半導体を生産する同社の利益は急激に伸びました。一株益の推移は以下の通りとなっており、株価も急激な上昇となりました。
株価は買われれば上昇しますし、売られれば下落します。これは説明するまでもないでしょう。
【株価上昇】
買う人の数>売る人の数
【株価下落】
買う人の数<売る人の数
これまで説明してきたマクロ要因や業績というの中長期に買う人の数を増やす要因とも言えます。
需給に関して言えば、今買った株は将来売られる株ですので長い目で見れば株価に影響を与える要因ではないのですが、逆に短期的な目線で見れば一番株価に影響を与える要因となります。
例えば大相場を演じているさくらインターネット。相場の契機となったのはエヌビディアから生成AIサーバーを購入。その資金の補助を国が行うというものです。
しかし、PERは既に300倍を超えておりさくらインターネットの株価を正当化するほどの理由はありません。また、材料も生成AIを頑張るというものであり、先ほど例に上げたエヌビディアのような業績に裏付けされたものではありません。しかし、ではなぜこれほどの株価上昇が起こっているのでしょうか?
「国策」「生成AI」というテーマ性を得た事で仕手筋・大口投資家の資金が流入したから!
大相場の演出家である仕手筋や大口投資家がさくらインターネットを仕掛けているからこそ、これほどの株価上昇が起こっているのです。
短期的に大きな資金流入が起こる。この需給を見極める事で大相場に乗る事ができるようになります。そして、その具体的な方法を学ぶのが本書「大相場の実践術」となります。
現在の相場は日経平均4万円時代に突入しており、本書をお読みの方はまさに大相場の最中にいます。 このような相場の中で資産を増やす方法は簡単です。
実際、現在の私達がいる大相場が始まった2012年当時の野田佳彦首相が衆院解散を表明した時が始まりです。この年の日経平均の安値は8238.96円。
そして今や日経平均4万円時代に突入していますので、10余年で4.8倍ですので、これも一つの方法でしょう。
このように10年もかけず、たった数ヶ月で10倍になる銘柄があるのも事実です。
本書をお読みの方であれば、やはり短期で資産を作る為に
上記のような需給に特化した仕手株や大口投資家の資金流入がある大相場の銘柄をご希望かと思います。
次の章以降では実際の株価の動きを解説し実践方法をご案内していきます。
大相場を作る仕手株の典型的な動きをまずは解説していきます。次の図は仕手株の動きをわかりやすく解説したもので、大まかに「玉集め」「玉転がし」「ふるい落とし」「売り抜け」となりますので、それぞれ解説していきます。
玉(ぎょく)です。(たま)や(おう)ではないので注意しましょう。玉は株式投資では株の事を指します。特に信用取引の建玉(たてぎょく)を指す事が多いです。
つまり、玉集めとは本尊が対象の株を買い集める事を言います。ちなみに、仕手筋の中でも主導的役割を果たしている人たちを本尊(ほんぞん)と呼びます。仕手株の対象となるのは、普段出来高や値動きが少ない銘柄が多いですので、一気に買い付けると株価が動いてしまいますので、時間をかけてゆっくりと静かに集めるのが特徴です。
この際に浮動株をしっかり買い集める事で売りがれを起こし、次の「玉転がし」のさいの提灯の買付でも株価が上昇しやすくするのです。
勝負は準備が全てです。ここでしっかりと需給を引き締める事ができれば、もう利益は決まっているようなものと言えるでしょう。
十分な玉が集まったら、次に行われるのが玉転がしとなります。対象の株を一気に買い上がり、出来高を急増させます。その他にも大量保有報告書を出してみたりとそのやり口は様々ですが、とにかく目立つ事で市場の注目を集める行為です。
こうして市場の注目を集めると、他の投資家は「何かの思惑があるのかも…」「まだ市場に出回っていない情報が洩れているのでは?」など考え、だんだんと買い出します。こうした仕手筋以外の買いの事を「提灯買い」と良い、このような銘柄を買う人たちの事を「提灯」と呼びます。そのため、玉転がしについては「提灯付け」と呼ばれる事もあります。
玉転がしを行い、提灯を付けた銘柄は株価が上昇していきます。一方で、提灯が買った株は将来の売り圧力となりますので、今後の株価上昇に邪魔になります。そこで玉集めで集めていた株を一気に売る事で株価をわざと下落させるのです。「提灯」は単に思惑や株価が上昇したからという信念の無い買付を行っているので握力が弱く、このような下落が起こると慌てて売りに走ります。この時売られる玉は「冷やし玉」と呼ばれます。
つまり「提灯」の保有株を手放させる行為をふるい落としと言います。こうして仕手筋は利益を確定させ、再度売られた玉を安い株価で集める事ができるのです。
このような事を繰り返すと、株価は自然と波を描き上昇していきます。そうすると、「提灯」もふるい落としに慣れる事になり、逆に株価の下落局面を「押し目買いのチャンス」と捉えるようになります。
本尊はふるい落としで一定程度の利益を確定し、株価下落局面でこうした「提灯」の押し目買いが十分な量があると判断したら残り株も全てぶつけて利益を確定させ、売り抜けを完了させます。
仕手株の動きがわかりましたら、実際にどこで買って良いのか?どこで売れば良いのか?を確認していきましょう。
買付ポイントの初期は急騰時です。基本的に、玉集め期間中の株価は長い横ばいの動きが基本です。もしくはボックス圏の動きをしますので、このような横ばいやボックスの上値をブレイクした銘柄を狙って買付を行う事で大相場や仕手株に上手に乗ることができます。
次の買付ポイントはふるい落としの下落時です。株式投資には「初押しは買い」という格言がありますがが、まさにそれです。上記のように上値ブレイクした銘柄の最初の下落を狙って買付を行います。
ただし、二回目・三回目の下落時は注意が必要です。特に3回目は売り抜けの可能性が高くなります。第3章「仕手株の典型的な動き」で解説したように、提灯の買いが多くなるとその時点で本尊が売り抜けとなる可能性があるからです。
利確ポイントは急騰時の吹き値売です。株価が急騰したときに売る事をこのように呼びます。基本的に仕手株はこの手法で問題ありません。もう少し具体的に言いますと、急騰後5日移動平均線を割り込んだ場合は1度利益確定しましょう。
次の利益確定ポイントはふるい落としの際にトレンドラインを割れた場合です。この場合は再度株価が上昇する事はなく、本尊が手仕舞いをした可能性が非常に高くなりますので、全株利益確定してしまいましょう。
実は、売り圧力を確認するために、軽い買い上がりを行う事が良くあります。
本尊は理論上必要な浮動株を集めたところで、実際の相場で検証します。
ここで実際に検証して浮動株の買い占めが足りない場合は再度、玉集めに戻ります。
つまり、なんのニュースや材料もなく不可思議な急騰があった銘柄は、その後の株価下落局面で拾っておけば、その後仕手性のある急騰相場に乗る事ができるのです。
本書をお読み頂き誠にありがとうございます。
相場とは、そして大相場とは。まずは基本的な理解を深める事が今後の資産形成において重要な事になります。
その上で、応用として仕手株や大口資金が流入する株の値動きの特徴を知り、実践していく事で今後あなた様の資産形成は大きく有利になっていくでしょう。
当然、実際に本尊との特別なルートを築く事ができればより大きな利益を手にすることができます。そうなれば、もう株式相場で利益を上げる事は難しくありません。
弊社は仕手や大口、海外機関投資家に至るまで様々な資金筋とのパイプを有しており、このような大相場の旗振り役として動いておりますので、今後の弊社情報にご期待ください。
株式相場でいわば不労所得を継続的に得る事で「お金」の縛りから開放され、ご自身のやりたい事・夢の実現を優先する事ができます。
そのための第一歩を本書が後押しできる事を願っております。
※ご不明点等ございましたら、弊社サポートまでご連絡ください。
また、本書籍は優遇期間中の弊社会員様に無料配布されております。弊社では担当制を敷いておりますので、本書の中で特に株式相場特有の言葉などご不明な点があればお気軽にご質問ください。